人工知能は人間を超えるのか/松尾豊

人工知能

最近よく聞く言葉ですよね。僕だってもちろん聞いたことくらいありますよ。

 

「じゃあ説明してよ!」

え…?人工知能でしょ。えーっと…。あの…。あ、そういえば今日は予定があったんだったっけ…。あはは。今日はお先に失礼します。

って感じですよね。

 

IT企業につとめて、自社でも「人工知能」が使っているのに、これじゃいかん!

人工知能について説明できるイケてるIT系社会人になりたい!

と、いうわけで人工知能の国内第一人者、東大の松尾豊先生の本を読んでみました。

難しい部分はわからなかったので、僕なりに理解したり面白いなと思ったところだけまとめてみました。(詳細は調べられていないので怪しい箇所は自学ください)

 

そもそも出来ないわけがない。

松尾さんの思想として一番大きなテーゼはここ。

なぜコンピューターで人間の脳を再現できると言い切れるのか、というと、人間の脳はそもそも電気回路であるのだから。

 

 世にある人工知能の4つのレベル

人工知能って言ってもよくわかんないよ。なんか色々あるし。

そんな様々な人工知能を4つのタイプに分類したものが以下。

<レベル1>

マーケティング的に「人工知能」と読んでいるだけで、ごく単純な制御プログラムを搭載しているだけの電化製品に、「人工知能搭載」などと謳っているケース。学問的には「制御工学」「システム工学」に当たる分野の研究であり、実際に人工知能とはかなり違う

ex)エアコン・掃除機・洗濯機(あくまで一例)

<レベル2>

古典的人工知能。入力と出力のパターンの数が非常に多いもの。

掃除機ロボットや将棋のプログラムなど。

<レベル3>

機械学習を取り入れた人工知能。サンプルとなるデータをもとに自分でルールや知識を学習する。

<レベル4>

ディープラーニングを取り入れた人工知能機械学習する際のデータを表すために使われる変数自体を学習する。

 

って言ってもよくわかんないですよね。噛み砕いたのが更にこちら。

レベル1〜4の違い

例として、「たくさんの荷物が置かれた流通倉庫」で使用される人工知能を想定すると、

レベル1:縦何センチ以上、横何センチ以上、高さ何センチ以上の荷物は「大」のと頃に移動する。何センチ〜何センチは「中」、それ未満は「小」と厳格なルールのとおりに動くだけ。

レベル2:レベル1の動きに加えて「割れ物注意のタグ」がついていれば慎重に扱い、天地無用であれば上下は入れ替えないなど、荷物の種類に応じても動きが変わる(入力と出力が多彩)

レベル3:最初から厳格なルールは与えられていない。幾つかのサンプルで「これは大」「これは中」「これは小」ということを学ぶと、次からは自分で判断をして仕分けられるようになる。

レベル4:たとえばゴルフバックがあったときに「このタイプの荷物はサイズ的には「大」かもしれないが、他とは明らかに異なる形状なので特別扱いした方がいい」と気が付き、自分でルールを作るなどの動きをとる。

 

人工知能もだいたいこの順番で発展をしてきており、レベル3とレベル4が生まれだしたのはつい最近のこと。

このあたりを歴史を追いながら説明していきましょう。

 

第一次AIブーム(1950年代後半)

「推論」「探索」を行う。将棋やチェスなどのように明確にルールが決められた世界での問題は解決できるようになったが、普段人間が直面するような答えのない問いに対して思考するという課題の解決は出来ない。

第二次AIブーム(1980年代)

「知識」のインプットが必要であるとされた時代。

医療であれば「病気に関するたくさんの知識をインプット」、弁護士の代わりをしようと思えば「法律に関するたくさんの知識をインプット」すれば良い。専門家の知識を入れたエキスパートシステムの開発が盛んになりました。

 

しかし「知識」をいれた人工知能はその「意味」を理解するというところには大きなハードルがあります。

人工知能の難問

人工知能の実現のためには非常に大きな問題がある。ここでは代表的なものを2つご紹介しましょう。

①フレーム問題

洞窟の中にロボットを動かすためのバッテリーが存在しており、その上に時限爆弾が仕掛けられている。ロボットはバッテリーをとってこないとバッテリー切れで動けなくなってしまう。

ロボット1号はバッテリーをとってくるように設計され、無事にバッテリーをとってくることが出来た。しかし時限爆弾も一緒に取ってきたためそのまま爆破されてしまった。

ロボット2号は、バッテリーを持ち出すときに爆弾も一緒に持ち出すかどうかを判断させるために「自分が何かをしたら、その行動に伴って副次的に起こること」まで考えるように設計された。その結果、バッテリーを前にして「自分がワゴンをひっぱたら壁の色が変わるだろうか」「天井が落ちてこないか」ありとあらゆる事象を考え、時間切れで爆発が起こってしまう。

ロボット3号は「目的を遂行する前に無関係なことは考慮しないように」と設計された。その結果動き出す前に「壁の色は今回の目的と無関係だろうか」「天井が落ちるかは今回の目的と無関係だろうか」と無限に考慮を始めてしまった。

フレーム問題は、あるタスクを実現するのに「関係ある知識だけを取り出してそれを使う」という人間が当たり前にやっている作業がいかに難しいかを表しています。

②シンボルグラウンディング問題

シマウマを見たことがない人に「シマウマという動物がいて、シマシマのあるウマなんだ」と教えたら、本物のシマウマを見たときに「あれが話に聞いていたシマウマかも知れない」とすぐに認識できるだろう。これは人間がシマとウマの「意味」を理解しているからできることである。

一方でコンピューターには意味を理解するということが出来ない。「シマシマのあるウマ」という知識を入れることは出来てもそれはただの記号にすぎないので、シマウマをもみてもシマウマというシンボル(記号)が、それを意味するものとグラウンド(結びついて)いないという問題が発生する。

 

このように知識を入れることは非常に大変であり、すべての知識を入れて人工知能と言うものを完成させることは不可能なのではないか。そこで第二次AIブームが下火を迎えてしまいます。

 

第三次AIブーム

2度のブームが下火になった人工知能でありましたが、「機械学習」が発展したことにより人工知能は一気に拡大をしていきます。

機械学習の誕生によって、あらゆる物事を「分ける」という処理ができるようになりました。一例では「新しく入力されたこのデータは過去に入力された◯◯というデーターと近い」などのように学習をしていく。例えば「手書きの3という数字」をすべて「3」だと認識するのには膨大な数の手書きの3と、これが「3」である、というインプットを繰り返す。それにより別の手書きの3が出てきたときにも特徴(特徴量)を掴んで、識別することができるようになったのだ。

ただし「機械学習」に於いて一点大きな問題があります。それは「特徴量」つまり入力においてどんあ変数を使用するかということは人間が判断しなければらないということです。

特徴量と言われてもわからないので、説明する例として次のようなものを考えてみましょう。

「年収を予測する問題」において特徴量を「性別」「居住地域」「誕生日」などどんな情報を用いて判断するのが適切かということを考える必要がある。例えば「居住地域」は年収に相関がありそうだが、「誕生日」は相関がなさそう。

このようにどんな変数を読み込ませるかということは予測の精度に大きく寄与します。機械学習ではこれをコンピューターが行うことできず、人間が頭を使って行わなければならなかったのです。

 

しかし、近年コンピューターが与えられたデータから重要な「特徴量」を生成する方法ができつつある。これが人工知能のブレークスルーになっているディープラーニング

「ネコ」という正解を与えることで、ネコの特徴をコンピューターが自動的に学習して行く。そうすることで次にネコを見たときにも「これはネコだ」と判断することができる。

機械学習では、「ネコの特徴」(目や耳の形、ひげ、全体の形状、鳴き声など)の部分を人間がインプットしなければならなかった)

 

上述の手書きの3についての話で言うと、「典型的な3のかたち」を一回教えてしまうと、似たような3があるとそれを一度相関するものとしてまとまりにして、そこから特徴を抽出して3のルールを自分の中でつくってしまうということになります。

 

シンギュラリティ(技術的特異点

ディープラーニングが言われていることで「人工知能が人間の仕事を奪う」ようになるなど様々なことが言われるようになりました。そこで大きく言われているのがシンギュラリティ(技術的特異点)です。

シンギュラリティとは「人工知能が自分の能力を超える人工知能を自ら作り出せるようになる時点」と言われています。

数学的に考えるとわかりやすいのですが、例えば0.9を1000回かけてもほぼ0になるだけだが、1.1を1000回かけると10の41乗にもなる。この時点を超えると人工知能は無限大に進化することができると言われているのです。

松尾先生は人工知能が人間を超えて侵略をするということは説いていない。今後人工知能が発展すれば人間の社会に大きなインパクトを与えることは間違いないでしょう。

【読書めも】昼メシは座って食べるな!

先日、とあるベンチャー企業執行役員をしている方とお食事の機会をいただきました。僕自身が就活生だった時にお世話になった方で、「久々に飲みに連れてってくださいー!」と。付き合っていただけて本当に感謝です。

 

3時間くらい飲みながら、とても学びの多い話をたくさんしていただきました。

そこでオススメしてもらった本が今週の一冊。

よく言われることですが、若いうちは死ぬほど働いたほうがいいぞ、という話。

日本という国においては長時間労働はこれから悪になっていく。それはルールチェンジ。その中でいかに自分自身で成長の機会を作るべきか。 

昼メシは座って食べるな!

昼メシは座って食べるな!

 

 著者の市村洋文さんは野村証券時代に歴代最高の営業成績を出した伝説の証券マン。

野村証券→KOBE証券の立て直し→そして今はご自身でファーストビレッジという会社を創業されています。

この本は圧倒的な成果をあげてきた市村さんが「働き方」と「考え方」を書いた内容。

 

昼メシは座って食べるな!

市村さんが一年目の頃。最初の仕事は名刺集め。その当時一週間で1500枚もの名刺を集めて来ていた同期に「なんでそんなに名刺を集めらるんだ?」と聞いた時の回答

「昼メシは座って食べるな。歩いて食え。そしたら食べながら次の目的地まで移動できるじゃないか。九時から五時までは試合中なんだぞ。俺らはピッチの上に立ってるんだ。昼メシなんか食ってる暇はないだろう」

どんなマインドで仕事をやるかの違い。でも最初の角度が後々の大きな差を生む。

もし就業時間がプレー時間なら、就業時間以外で準備をしないと行けない。プレーが始まってから準備体操をする奴はいない。そんな風に考えているやつにはそりゃ敵わないですね。

 

人が休んでいる間に仕事をしろ

「大雪の日」にこそ、訪問せよ!わざと雪に濡れてから訪問すれば「え??お前こんな日に来たの!?」となる。

相手に「こいつはかわいいやつだな」「うちにもこんな社員がいたらいいな」と思ってもらうのがコツ。

他にも「奥さん甘いもの好きでしたよね」と一言添えて手土産を渡すだったり。一見見落としがちなところにまで気を配ることで人との関係は全然変わって来る。

 

出資してくれる人を10人集められるか?

KOBE証券時代に出資してほしいと来る人に市村さんが言っていたというのが以下の一言

「まずご自分でお金を集めてください。あまたのことを信用してくれる人"10人"からお金を集めてきてください。10人の信用もないくらいだったら、うちの会社はお宅に出資できません」

そういう人を10人も集められないようでは、まるで信用がない。そういう人を増やせるような人生の歩み方をするべき。金持ちではなく「人持ち」になれ。

 

「無茶」はするな、でも「無理」はしろ!

無茶は法を犯すこと、無理は背伸びをすること。

例えば柿を取るのに、人の家に入って盗むのは「無茶」です。でも一生懸命背伸びをして、高いところの柿を取るのは「無理」のほうです。

無茶だできないと思うのではなく、どうやったら(どう無理をしたら)できるようになるのかを考えるべき。

無理な目標設定をして、それを達成しに行くことで自分の限界を突破するきっかけになる。

 

最後に

自分の働き方と比べるとスタンス部分で全然違うなというのが感想。ゆるゆるとやっているのと比べると圧倒的に差が広がって行くんだろうな。危機感を持って働きたいと焦りを覚えます。

今は残業などは規制されて行く時代。いかに短い時間で高い成果をあげるのか、浮いた仕事終わりの時間で何を学ぶのか。

今まで以上に個人の過ごし方が重要になる時代、差が広がって行く時代がやって来た、そんな気がします。 

 

『少女』湊かなえの世界観がリアルで怖すぎる

こんにちは。

今日の1冊は湊かなえさんの『少女』です。

 

『告白』で衝撃を受けて以来、人間の綺麗じゃないリアルな部分を描くこの人の作品の魅力には惹かれつつも気分が悪くなることはわかっていたのでなかなか手を出せず。

本屋でなんども手を伸ばしては止めていた本作にようやく手を出してみました。

 

きっかけはクラスメイトの紫織との会話。

「ねえ、あんたたち、死体を見つけたことある?」

彼女が語る自殺した親友の死体を発見するまでの生々しい話。悲しいね。辛かったね。そんなありきたりな感想を彼女たちは抱かない。紫織の話を自慢のように感じて悔しさすら覚える。

見たい、死体を。いや、紫織が見たのが死体なら、わたしは死ぬ瞬間を見てみたい。

人の死に触れるために、由紀は小児科病棟、敦子は老人ホームへ。

 

この本のテーマは「死」なのかと思って読み進めていたが途中で

「違うのでは?」と思った。「因果応報!地獄へ落ちろ!」というキーワードが物語のあらゆるところで登場するが、こちらが本当のテーマなのではないか?

痴漢の冤罪をでっち上げて金を巻き上げる少女。その少女にとっては大したことがないことなのかもしれないが、それによって何人もの人生が大きく狂っていく。因果応報、地獄へ落ちろ。湊かなえさんは悪人が罰を受けるというようなわかりやすい世界を描きはしない。彼ら、彼女らは淡々と自分の罪の報いを受ける。

人の死をみたいと望む彼女たちの気持ちが僕にはわからない。しかしこういった少女はこの本の中では特別なものとしては描かれない。そういうもの。まるで当たり前のことを言っているかのように彼女たちは描かれる。タイトルが『少女』であるということが表現しているのはそういうことなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

『案本』 ユニークなアイデアを提案にするために。

こんにちは。 

今日の一冊はこちら。マーケ出身のイケメンな先輩からオススメされた一冊。

曰く「どんな仕事をするにも知っておいて欲しい内容」

案本 「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」

案本 「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」

 

 クリエイティブ・ディレクターであり、コピーライターでもある著者が提議しているのは「ユニークな提案をするためには経験が必要である」ということ。

ユニークさと経験で学習することの間には大きな乖離があるように感じますが実際には経験が非常に重要になるという論が展開されていきます。

 

「ユニークな提案」の違和感

ユニークな提案という言葉はよく言われるが非常に違和感のある言葉。

  • ユニーク:ほかにないもの、理解されないもの
  • 提案:相手の評価をもって受け入れてもらうもの

だから広告であってもユニークさよりもまずは相手のベネフィットをついているかということの方が重要

 

「なにを言うか」と、「どう言うか」。

広告の教科書の第一ページにはある言葉、コピーの掟とえるようなもの。

なにを言うか」は受け手に対するベネフィットのことで、「どう言うか」がそれをどんな方法で伝えるかというところ。これは広告やコピーに限らずあらゆるコミュニケーションやアイデアの提案にも言えること。

ユニークなアイデアは「どう言うか」に気を取られて「なにを言うか」が無視されているケースが多い。

では、提案はどうやって受け入れられるのだろうか? 

提案の受け入れられる流れは「認知→理解→評価」と言われている。

 認知されなければ仕方ない。しかし理解されなかったことで提案が選ばれないということもある。この提案が自分にとってどんなベネフィットを提案しているのだろうということが瞬時に判断できなければ提案は評価の段階にもいかない。

「僕のアイデアはユニークなのになぜ採用されないのか」と嘆いても仕方がない。評価も理解も相手の中の尺度でなされるもの。受け手の尺度にそわない提案は意味をなさない。

 

では、受け手のベネフィットを知らなければならない。

受け手のベネフィットを想像できないのは知らないから。知らないことは想像もできない。

受け手のベネフィットを知るためには「経験」が必要になる。というのが流れ。

 

経験と思い出は違う

思い出:「フランスで食べたピザは美味しかった」

経験:「フランスでピザを食べた。おいしいけれども日本のものとはどこか違う。日本のピザはアレンジされてるのかな?やっぱり日本とフランスは違うな」

このように一つのものごとから「どう感じたか?何に違和感を持ったか?何に感動したか?それはなぜか?何を発見して、どんな感想を持ったか?」というところまでを含めて経験。頭の中で一つの事象から広げていく経験を脳内経験(著者命名)と呼ぶ。

このようにして自分の「経験データベース」を増やしていくことが重要

経験データベースから出てくる提案がこんな感じ

例:京都旅行の提案

課題:

「彼女との初めての1泊2日旅行で晩秋の京都に行きたい。二人とも修学旅行以来の京都」

1.提案:

できるだけ朝は早くに東京を発って、午前中には京都に入りたい。新幹線は取れているのか?のぞみが無理ならその前後のひかりでいい。昼飯は京都駅周辺の京料理のお弁当。寺院に行くならA寺が良い。町中からのアクセスも良く、大型バスが入れないので観光客も少ない。…(続く)

2.使った「経験データベース」と「想像力」。

晩秋は京都は観光客が多い。訪れるのには最悪の季節かもしれない。新幹線は混雑をさけてひかりでもいい。30分程度の差。ましてやカップルの旅行なので一緒にいる時間が長い方がいいかもしれない。

最初の料理に京料理を持ってくるのは3つの理由がある。彼女の「京都に来たら京料理でしょ」という気持ちを先に改称してあげることで後のタスクが減って荷が軽くなる。また夜だと2~3万円かかるものがエッセンスとはいえ数分の1で味わえる。しかも夜の懐石料理は品数も多くて時間を取られてしまう。1泊2日の旅ならその時間は惜しい。

京都の町は観光地が東西にわかれていて近辺の道路は混雑している。とはいえ修学旅行以来の京都で「京都に来たんだ」という実感を感じてもらうには繁華街からも近く、教科書にも載っているA寺がいいだろう…。

使った脳内アングル

「晩秋の京都の混雑」「混雑具合」「混雑したときの気持ち」「修学旅行とは?」「1泊2日」「初めての二人旅の時どういう心境になるか?」「女の目的は何か?」「二人が京都に関してい知っていること知らないこと」など。

他にもたくさんあるがそのそれぞれが自分の中に経験データベースとして存在していることで、相手のベネフィットにあった提案ができる。

以上まとめ

どんなアイデアでも、選ばれなければならない。

→選ばれなければ、もともとなかったも同じ。

→選ばれないのは、(世間を、人間を、自分を)知らないから。

→知らないのは、経験していないから。

→経験は、意識的に増やせる。

→つまり知ることは、意識的に増やせる。

→経験を意識的に増やして、「経験データベース」とすればいい。

 

実際の提案に至るまでに

脳内経験

自分の主観とは偏見である。他の人が見たら全く違う見方をする。

あるものを見たときに色々な角度からみてみる。

日記の脳内アングル

「関係者(モノを含む)」というアングル:「自分」「日記によく出てくる部下」「母親」「ペン」「日記をしまうひきだし」「日記のひも」

「中身」というアングル:「初めての」「1行だけ」「交換日記」「絵日記」「政治家の」「殺人犯の」

「時」のアングル:「元日」「大晦日」「現在」「未来」「10年後」「朝」「深夜」「一生」

「働きかけ」:「書く」「読む」「忘れる」「隠す」「笑う」「泣く」

「もしも~」:「もしも、子供のころからつけられていたら」「もしも、妻に読まれていたら」「もしも、やめたら」

「異論反論」:「めんどくさい」「三日坊主」「古臭い」「書くべきことがない」

こうやって洗い出すことで自分の主観的な日記観を修正して想像力が働く場所を探していく

日記を売る

ターゲットもきまっていないが何となく日記の脳内アングルを眺めてみる。

ベネフィットは2つ。

一つは他の人には言えないことを書くことができるということ。

もう一つは読み返すとき。あの時こんな気分になったなあと。

この2つは享受するタイミングが全然ちがう。一方は「書く」とき、もう一方は「読み返すとき」。その間には「三日坊主」などの言葉もあるようにめんどくささが伴う。

であれば今回のターゲットは日記の2つのベネフィットを感じているが、忙しさやめんどくささで継続することができなかった人。

であれば提案はこんなものでどうだろう?

「三日日記」三日坊主は治らない。思い立ったタイミングで3日間書いていけばいい。

「日記箱」はどうだろう?鍵の着いた箱があって貯金箱のように思いついたタイミングで日記を放り込んでいく。「日記は毎日つけるものって思っていませんでしたか?」

こんな風に受け手のベネフィットから作っていくことがユニークな提案を生む。

 

『世界から猫が消えたなら』を今更ながら読んでみた。

「世界から◯◯を消す。代わりにあなたは一日の命を得ることができる」

もし明日死ぬことがわかっていたらあなたはどうしますか?

 

今週は2013年の本屋大賞にもノミネートされたこの一冊。 

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

 

作者の川村元気は映画プロデューサー。彼があえて小説という手段で世の中に表現したかったのは「何かが消える」ということ。

 

物語はすごく単純。

ガンであることが判明した主人公の前に現れた悪魔が突然こう告げる。電話、映画、時計…。一つ一つが消されるたびに、それにまつわる思い出や、失うことでの喪失感が生まれてくる。

 

単純でしょ?でも、ものすごく考えさせられる。

特に心に残ったのは主人公が「この世界から僕が消えたなら」ということを考えるシーン

自分が存在した世界と、存在しなかった世界。そこにあるであろう微細な差。

その小さな”差”こそが僕が生きてきた”印”なのだ。

僕は自分が関わった人に何を与えてきたのだろうか。何を残したのだろうか。

そうやって振り返ってみると不安にもなる一方で、自分も色々な人に何かしらを残しているのかもしれないと感じる。

そうやって周りを見ると今まで関わったどんな人も何かしら自分の中には残しているはずで、これって結構かけがえないことなのかもしれない。

 

「世界から◯◯がなくなったら」

そうやって想像してみると改めて自分の身の回りには大事なものがたくさんあるんだなと気がつく。

 

今、部屋を見渡して。少し考えて見る。

 

「世界からコートが消えたなら」

会社にいくの寒いんだろうなあ。目の前にあるコートは茶色いピーコート。昔、腕を通す時に腕時計を引っ掛けて中の布が破れている。大学時代は寒い教室の中であのコートを膝にかけて授業受けたなあ。寒い日に彼女の肩にコートをかけてあげたっていう思い出もなかったんだろうな。まあコレは元々ないねんけど。

 
「世界からランニングシューズが消えたなら」

中学から大学まで陸上の長距離をやってきて、今でもマラソンに出たりしている。

もしシューズがなかったらあんなに長い距離を毎日走ることはできなかったかな。すぐに足が壊れそう。

雨の日に水たまりをバシャンと踏んでしまうのが意外と好きで。水を含んだ靴で地面を蹴る度にジュワッと靴と靴下から水が染み出す感覚がなんとも言えずに好きだった。

新しい靴を買った時のワクワク感。お店の独特の匂い。家に持ち帰ったらすぐ箱から出して、「まだ履いていない綺麗な靴」を家の床に置いて写真を撮る。儀式みたいなものでシューズを買った日は必ず1人で走りにいく。あの時の自然と笑顔が出てしまうような瞬間が嬉しい。

 

「世界から小説が消えたなら」

人生で1000冊くらいは読んできたはずの小説がもしなかったら。休みの日に家で時間がある時には自分は何をするんだろう。

ミステリーを読んで騙されたと悔しがる、けどスッキリする時間。家族の暖かさを感じる小説を読めば家庭を持ちたいなと思ったし、恋愛小説を読んで落ち着いた恋愛がしたいなと思ったり笑 スポーツや色々な仕事、生き方をあたかも経験しているかのようなワクワク感。

読んでいる時間だけでなくて、本屋で本を選んでいるワクワクした時間、小説を書こうとして机に座っても何も出てこずモヤモヤと頭が沸騰しそうな時間、小説を読みながら寝てしまった時の奇妙な満足感、ふと見た光景をまるで小説みたいだと思う瞬間もなかったのかもしれない。

小説を読むって改めて僕の人生にとって結構色々なものを残しているなあと。

 

ちょっと見まわしてみただけでも色々なものの大切さに気がつく。

これは”喪失”の物語だと思う。そして喪失を恐れてしまうほどに、身の回りには大切なものが溢れているんだということを見せつけられた気がする。

当たり前の日常は思った以上に美しい。

 

てか映画版、宮崎あおいさん出てるのか。これは観なければ💡

『ストレスフリーの整理術』でスッキリした仕事の進め方を。

仕事をしていて「自分は仕事の進め方がヘタクソだな〜」と感じる場面が多々あって。昔から要領が悪いと言われ続けてきたけど、仕事でこれじゃいかん。

先輩に相談したところオススメされたのがこの一冊。

全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

 

 

GTD(Getting Things Done)という仕事の整理手法についてまとめた本。

全部をやるとなると結構たいへんだな、と感じましたがエッセンスは参考になるかも。

 

GTDの三つのポイント

  1. やるべきことや気になることの“すべて”を把握すること
  2. “次にとるべき行動”を導けるようになること
  3. さまざまな視点から評価して正しい決断を下せるようになること

 

やるべきことの優先順位を決めて頭の中をスッキリさせて仕事をする手順

「把握する」→「見極める」→「整理する」→「更新する」→「選択する」

 

把握する

仕事上のメール、奥さんとの関係、秘書への誕生日プレゼント、ガレージの掃除…。

「何かをしないといけない」と思った瞬間から、それが「気になること」になってあなたのエネルギーを奪っていく。

だからまずは最初に頭の中からすべての「気になること」を追い出すという習慣を身につけること。

 ※インボックス

自分がやるべきことや気になることを一時的に頭の中から追い出して管理する場所をインボックスと呼ぶ。

「把握」の段階では全体を掴むのが重要。そのために整理する前に一度インボックスに入れていく。

 

見極める

インボックスの中のあれこれを「次にとるべき具体的な行動に落として行く」

注意点としては「やる行動」だけでなく「やらないこと」も決めること。

地下室がごちゃごちゃで何が悪いんだ

とやらないことを決めるのも重要。

※2分ルール

行動を振り分ける際に2分以内でできることはその場で終わらせる。そうでないことはリストに振り分けて行く。

 

整理する

例えばやるべきタイミングが決まっていることはカレンダーに入れればいいし、外出先でやるべきことは「@買い物」というリストに書いておく。

その他リストの例

・「連絡待ちリスト」:自分がやる必要がないと他の人に任せた仕事もこのリストに入れて管理しておく。あれってどうなったんだろうというイライラを感じずに済む。

・「いつかやる/多分やるリスト」:将来のどこかの時点でやるかもしれないこと。小説を書きたい。別荘を買うなど。

 

更新する

頭がこれをしないといけないという無駄なエネルギーを使わないように週次レビューなどで行動が必要なものを適切な頻度で思い出せるように仕組みを作る。

 

選択する

最終的には目の前でやるべき行動を選択する。ここまでのステップを踏んでいるので自信を持って自分の選択に対して自信を持つことができる。

 

 

プロジェクトで把握すること

ここまでのは水平的視点(どの行動を先にするかの判断)だが本当は垂直的な視点(一つのプロジェクトを掘り下げる)も必要。

「会議の資料に関して同僚にメールする」はタスク。これを終えれば全て解決というわけではない。

それを一つ上の視点の「会議の段取りを決める」というプロジェクトとして管理する必要がある。

そうしないとやはり頭の中をスッキリさせて仕事することができない。

これは当たり前のように見えて見落としがち。

 

「資金集めのイベントの件で太郎に電話する」という行動の上位に「資金集めの計画を詰める」というプロジェクトがあることを見落とすということはよくある。

プロジェクトに気がついていれば「資金集めの進捗を確認する」というような別の行動が見つかることもある。

見落としもなくすためにプロジェクト単位で管理するリストも作っておかないといけない。

 

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かなり簡単にまとめてみました。

本書にまとまっているものすべてを実施しようものなら相当な労力がかかるだろうけど、習慣になれば生産性は上がるだろうな。2分ルールなどはすぐにでも実践できるし取り入れてみよう。

個人的にはプロジェクト単位での管理というのは見落としがちな視点。タスクレベルでの管理になっていないか。。早速反省します。

20代で始める「夢設計図」/熊谷正寿 

なぜ、夢・目標が大切なのでしょうか。

それは、人は夢で思い描く自分の姿以上の自分にはなれないからです。

「夢設計図」というキャッチーなタイトルの一冊はGMOインターネット株式会社代表取締役の熊谷さんの著書。

20代で始める「夢設計図」-必ず“スピード成功”する5つの原則

20代で始める「夢設計図」-必ず“スピード成功”する5つの原則

 

 

タイトルのように一章には夢を見つけるための3つのステップがまとめられている。

ただ後半は作者が20代の若者に向けて人生についてのメッセージをまとめたものになっており、夢設計図というタイトルとはちょっとズレるのではないのかというのが所感。若いうちに身につけておきたい考え方のエッセンスは詰まった一冊だと思うのでお勧めではあります!

たびたび、GMOのサービスが宣伝されているのはちょっと気になるw

 

「なりたい自分になる」ことが人生における成功と幸せ

この本はこのような考えを前提 にしています。≠仕事で成功する、です。

会社での仕事の進め方とかではなくてもう少し広く人生における幸せを追い求めましょうというもの。

この本における「なりたい自分」は熊谷さんの意見ですよね?みたいな事も言えるとは思うんですけど、個人的にはこの考えは違和感ないのですんなり入ってきました。

夢は実現するようりも、見つけることの方が難しいかもしれません。

熊谷さんが本の最初に述べるのがこの言葉。確かに言われてみるとそうかもしれない。目標があってそこに向かってただやるのって結構ラクですよね。

夢を見つけるためのヒントとしては「後悔する人生とはどんな人生か」を考えることだと。

これは人それぞれかもしれないですが、「心が絶えずザワザワして落ち着かない人生」や「いつも恨みがばかり言っている人生」など嫌な人生は嫌ですよね?これを思い浮かべることで逆に自分が理想とする人生が少しずつイメージされて行くのかもしれません。

 

夢設計図の考え方

ステップ1 日常で遭遇するやりたいことを全て夢にする。

例えばレストランで美味しいものを食べた時に「こんな料理が作れるようになりたい」も夢ですし、オフィスで外国人と喋る先輩を見て「英語をペラペラ話せるようになりたい」と思うのも夢です。

このように自分のやりたいことリストを作って行く。

ステップ2 「夢・人生ピラミッド」を作る

次の段階は夢・人生ピラミッドを作ること。

以下のようにやりたいことリストから機械的に分類をして行く。

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これは一番下が基礎的なもの。なので20代はこの基礎的な部分を重点的に鍛えて行く。

一つ注意点としては中央に来るのが「健康」だということ。何をやるにしても健康であることって重要だよね?当たり前だけど忘れがち。。

ステップ3 未来年表を作る

年表にして具体的な期日を決めること

夢の達成期限を決めてそこから遡ってプランを立てることが重要

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未来年表までできればそれを元に実行するのみ。

(これは僕の目標じゃないんですがw)

誤差は調整しつつ夢の達成に向けてやればいい。

 

目標を立てたら

夢設計図が出来たら後はそこに向かって進むだけ。本の後半は熊谷さんから20代に向けた教訓が続きます。

なるほどふむふむとなるものが多い。

こんなふわっとした感想しか持てない奴は成長しませんね。

ちょっとだけ紹介。

「何事も経験。若い時の苦労は買ってでもする」

これはよく言われる言葉ですが、これは誤り。夢・目標を決めたら、それに関係ない苦労はお金を払ってでもしないべき。常にゴールから考える。 夢や目標を明確にすることであらゆることの判断基準になる。

 時間の節約

よくやりがちなのが睡眠時間を削るということ。

睡眠は「病気知らずの健康な人生と、88歳までバリバリ現役で働ける体力を維持する」夢を持つ私にとって、決してムダな時間ではありません。

 確かにこういわれると睡眠時間は削れないですね。

時間を削るためには探し物をする時間やボーっとしている時間など削るべき時間を削ること。

 

20代のうちにやることを明確にすること。

個人的にゴールから考えるということが得意ではないので夢や目標から考える生き方を考えてみようか。